新たな社員教育手法「反転授業」の効果的な導入&活用方法!

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「反転授業って何ですか」
「反転授業の導入方法がわからないので教えてください」

といった、反転授業に関する問い合わせが、最近増えています。

反転授業は、大学をはじめとする学校教育への導入が進み、最近は、企業もこの手法に注目しだしています。
今回は、この反転授業について、従来の授業の違いや企業が導入するメリット、そして、企業への導入の仕方について、順を追ってお話ししていきます。

反転授業について

従来の授業は、講師が主に話をする形式ですが、反転授業は、生徒が主体となり話をする授業スタイルです。
これまでの授業の講義はビデオ収録し、生徒はこの内容を事前に学習します。
その上で生徒は教室に集まり、講師の進行指導の下で、疑問点や発展テーマについて話し合います

反転授業と従来の授業の違い

反転授業と従来の授業の違いを表にまとめました。

従来の授業
反転授業
授業の目的
知識の習得知識の活用
講師の役割
テキストに記載されている内容を、生徒にわかりやすく解説するテキストに記載されている内容を事前に学んできた、生徒の疑問に答える
生徒の姿勢
講義を聴く(受動的)疑問点や応用できることを発する(能動的)
効果測定
ペーパーテスト発言内容、検定試験

  • 授業の目的

従来の授業は、知識の習得(暗記)に主眼がおかれています。
反転授業は、生徒が授業内容を事前に学習して参加するので、疑問の払拭や知識の掘り下げという知識の活用が主目的となります。

  • 講師の役割

従来の授業の講師の役割は、授業に参加している生徒全員に理解してもらうような講義をすることです。
生徒には学力差もあるので、相応の準備とテクニックが求められます。

反転授業の講師の役割は、事前学習してきた生徒が抱く疑問や関心に答えることになります。
難問や珍問、突拍子もない発想などが飛び出すケースもあるので、テキストに記載されている範囲を超えての広い知識と事例、そして、議論をまとめる力が必要となります。

  • 生徒の姿勢

従来の授業は、知識の習得が目的なので、生徒は聴き取るという受動的な姿勢になります。
反転授業は、知識の活用が目的なので、生徒は自身の意見を発する能動的な姿勢が強化されます

  • 効果測定

従来の授業は、知識の習得度合いを、穴埋め問題や選択問題、そして記述問題といったペーパーテストで測ります。
反転授業は、学習した知識の活用イメージが持てているかを、授業中の発言の質から測ります
また、実際の活用度を検定試験で確認します。

企業が反転授業に着目する理由

「反転授業と従来の授業の違いの一覧」には、企業が反転授業に着目する理由が示されています。
それは、生徒(社員)の能動性の醸成です。

情報関連技術の革新スピードがますます速まる中、企業も従来型のビジネスモデルのままでは、将来の存続が危ぶまれる時代になりました。

例えば飲食店ですが、味とサービスさえしっかりしていれば、お客さんは口コミで広がるという従来型の経営スタイルは通用しなくなりました。SNSに投稿したくなるような、いわゆる「インスタ映え」を狙った料理を考案して、来店客の行動を促すような工夫を、繁盛店ではしています。

調理技術を磨くだけではなく、SNSの特性や使い方を自ら学び、自ら活用する社員の能動性や主体性が求められています。
このような背景から、生徒(社員)の能動性を引き出す反転授業が着目されているのです。

反転授業を導入するメリット

反転授業を導入すると、以下の4つのメリットが得られます。

  • 教育ノウハウの資産化
  • 人材育成にまつわる属人性の排除
  • 競争力の向上
  • いつでもどこでも何回でも講義の受講が可能

教育ノウハウの資産化

反転授業は生徒に事前学習をさせるために、講義内容をビデオに収めなければなりません。
ビデオ収録には相当の労力がかかりますが、教育の対象となる業務に関連する技能や手順、そして活用するツールが映像(ビデオ)資産として残ります
保存された講義は、繰り返し何回でも視聴できます。

人材育成にまつわる属人性の排除

マネジャーによって配属メンバーの能力向上度合いに差が出るのは、これまでは致し方ないこととして許容されてきました。
ところが、反転授業用の講義ビデオが揃うと、この問題は一掃されます。
教えるのが得意なマネジャーの講義を、全員が視聴できるからです。

競争力の向上

反転授業は、生徒(社員)の能動性を引き出します

能動的な人材が揃うと、企業はどうなるのでしょうか。会議でのやりとりを例に、能動的な人材が育つメリットを解説します。

受動的な会議の状態とは、司会者が、「何か質問や意見はありませんか」と、参加者に呼びかけても、沈黙になってしまう状態です。
能動的な会議の状態とは、ある発言者の話が終わると、司会者が促さなくても、別の参加者から質問や意見が飛び交い、活発に意見交流される状態を指します。

競争力の高い会社がどちらかは、言うまでもありません。

いつでも、どこでも、何回でも講義の受講が可能

人の理解力には差があります。
この差を、従来型の授業では埋められませんでした。
反転授業のための講義がビデオに収録されていれば、生徒(社員)は、自分の都合に合わせて学習できます

反転授業を導入する上での負担

反転授業は、事前学習の環境と、知識を活用に導く講師の存在よって成り立ちます。
事前学習の環境には、機材や通信環境というハードも含まれますが、今回は、講義用のビデオというソフトに絞って解説します。

ビデオ講義の作成

ビデオ講義を撮影する負担がかかります。
1回の講義のビデオ収録時間は10分以内を基準に行いますが、この準備と撮影の工数を確保しなければなりません。

ビデオ講義の質

作成されたビデオの質が低いと、生徒(社員)は事前学習が苦痛になってしまいます。
従って、わかりやすくて楽しい講義をビデオ撮りする必要があります。

講義を一定以上の質にするための準備が不可欠となります。
講義の進め方については、インターネット上で公開されている、無料講座を研究すると良いでしょう

講師の育成

反転学習の講師には、講義テーマに関連したフリーディスカッションから、一つの結論にまとめる力が求められます
慣れるまでの苦労はありますが、社内の人材を対象にフリーディスカッションをするのですから、案ずるより産むがやすしで、回数をこなしていくことで身につけていきましょう

反転授業を導入しやすくするコツ

反転授業のメリットはわかったけど、ビデオ撮影や講師の育成の負担を知って、反転授業の導入に二の足を踏んでしまうかもしれません。
最初から完璧なモノを目指さず、できることから始める要領で立ち上げると、反転学習の体制は意外と簡単に整えられます。
そのポイントは、次の通りです。

気軽にはじめる

反転授業用の講義ですが、まずは、社内にあるテキストから活用していきましょう
テキストというと、研修会社が準備するような立派な冊子を思い浮かべてしまうかもしれませんが、そういう類ではなくて、社内にあるマニュアルを机の上に出してみてください。

オペレーションマニュアル、サービスマニュアル、整備マニュアル、清掃マニュアルなど、社内にあるマニュアルをテキストにして解説ビデオを作成すれば、反転授業用の講義が完成します。

反転授業は、知識の活用を目的にしているので、社内にあるマニュアルはうってつけのテキストとなります。
例えば、衛生管理マニュアルに入っている食中毒の予防。

このポスターは、厚生労働省のホームページに掲載されている、家庭でできる食中毒予防の6つのポイントになります。

飲食店で働いてるマネジャーなら、この内容を自店の特徴に合わせて講義するのは、それほど難しくないはずです。
講義の進め方をこのように捉えれば、肩の荷が下りるのではないでしょうか。

効果測定を行う

食中毒予防に関連したビデオを視聴した生徒(社員)を集めてのディスカッションから、食材の保存方法や下準備の際の器具の取り扱いなど、具体的な問題が上がるはずです。
講師が、取り上げられた問題点の改善策をまとめ、改善策の実行の期日を生徒(社員)に決めさせて反転授業は終了しますが、この後が肝心です。

授業で決定した改善策が実行されなければ、受講した意味がないからです。
そこで、反転授業の効果測定として、食中毒予防で取り上げられた食材の保存方法や調理器具の取り扱いなどの改善が実際になされてるかの確認をしましょう。

効果測定の方法は、抜き打ちチェックや実技検定が有効です。
反転授業の目的が、知識の習得ではなく、知識の活用に定められているので、このような効果測定が必要となります。

継続する

社内研修用のビデオを100本準備したというように、ビデオ講義の本数がクローズアップされことがありますが、それよりもビデオ講義から得た知識の活用が大切です。

100の知識を覚えるよりも、たった1つの知識でも、それを実践に移して改善に結びつけることに、教育の価値があるからです。
改善から成果を生み出すには、一定の期間が必要です。

1回や2回の反転授業で、業務改善は進みません。
反転授業を導入する目的が、知識の活用にあることを念頭に置き、最低でも1年間は継続させて、反転授業の導入価値を見極めてください。

まとめ

反転授業と従来の授業の大きな違いは、生徒(社員)から能動的な姿勢を引き出すことにあると繰り返し述べてきましたが、教育のコスト削減を目的にして、反転授業の導入を検討するケースも散見されます

経営環境が目まぐるしく変化する中、社員教育を効率化の対象とするのではなく、効果性の向上を目指すべきで、コスト削減を第一義に定めて、新たな教育方法を調査するのはお勧めできません

教育の効果性をより高めるには、経験年数や理解力など、個々のレベルに合わせて学習テーマを選定するのが理想です。

これまでの集合形式の講義ではこのような個別対応はできませんでしたが、自分のペースで何度でも繰り返し視聴できるビデオによる講義は、この要求に応えられます。
情報ネットワークが普及し、ビデオ撮影や配信が簡単にできるようになった今、ビデオ講義を製作する壁はほとんどなくなりました

反転授業の導入は簡単ではありませんが、挑戦する価値が大いにあるのは間違いありません。

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平堀 剛

大学卒業後、電機メーカーに就職。先端技術の開発に汗を流すエンジニアを目の当たりにし、自分も何かをしたいと一念発起。学生時代からの夢、事業家(経営のプロ)を志しコンサルティング会社に転職。数多くの業界の経営実務に携わり上場(マザーズ)も経験した後に、小川とともに当社を起業。

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